永沢君的な

 先ほどから,マンションの裏手で痴話げんかと思しき女性の泣き叫びがずーっと続いています。相当な取り乱しっぷりですが,あれ家宅捜索したらどうか。

 すっかりさぼっていますが,書くのを休んでいる間にそりゃーいろんなことがありまして,そしてその多くを忘れました。最近,こりゃ病気なんじゃないかと思うほど記憶の欠落が激しくて,なんだか夢の中を生きているようです。あ,今思い出したが箱根に初めて行ったんですよ。3月に。いいところでした。


 職場で,残業時間を問題としたちょっとしたもめごとが発生しています。まあ労使交渉のようなもんだと思いますが,腹を立てた一人が上の人たちに反意を示し,周囲に同調を求めるメールを送ったことで(連名で抗議してほしい,みたいな),にわかに周囲があわただしくなりまして。

 で,今の業務体制はおかしい,本来こうあるべきだとか,今後どうしていくべきかとか。労働基準法をきちんと調べようだとか給料がうちはありえないほど上がらない,など,いろんな話やいろんな動きが聞こえてくるのですが,そのたびに私は自身のそういうことに対する無頓着っぷりと,周囲とのずれに驚かされています。

 「俸給」とか「号」だのの仕組みが実は全くわかりません。その言葉自体聞いたのは去年が初めてだ。また,一連のあれこれの中で,どうやら労働基準法では週40時間以上働くとそれはもう残業になる,ということなどを知りました。特別休暇を夏休みなどでつけているから,残業代はそっちにまず充ててますからね,という,今回のことに対するえらい人の説明は,どうも明確に法律違反なようです。なるほど知らなかったなー。すっとぼけてて申し訳ないがいろいろと勉強になっています。

 しかし,私は皆さんがこうしたことをいろいろ知り,さらにだからどうだ,こうだと話をするのを聞いていると,どうもむなしく感じてしまいます。「で,どうするのか」がどうもあまり出てこない。下手の考え休むに似たり,とは言いすぎと思いますが,結果それによって何をどうするのかが導き出されないなら,それらの知識を知っていても知らなくても,また考えを巡らせてもめぐらせなくても同じことのように思えます。

 さくらももこの『永沢君』という漫画のことがいつも頭をよぎるのです。永沢君は口が悪くて相手に気を使わない,なんというかダメな子なのですが,私は彼に似ているのかもしれない。漫画の中で藤木君に「君は卑怯だよ」と言い放ち,そうなんだ,卑怯なんだと泣き出す藤木に「泣くなよ。泣いたって君の卑怯は直らないし,泣かなくたって君の卑怯は直るかもしれないよ」とたたみかける永沢君。

 今回の一連のことで,「黙ってるのはよくない」とか「だれかが何とかしなければ」といった流れに対して,私は終始心の中で「誰かって誰が。ここでいくら話し合おうが,要は誰かがえらい人に突っ込む役をやらないと何も動かないと思うけど,誰もいないよね,それ」とか,「きっとみんなそこまでの度胸はないわけで,じゃあいくら労働基本法勉強しても,やらないのと同じだよね」とか思ってました。

 なんなら私が匿名で労基署にファックス送ろうかと思うのですが,それはよろしくないらしい。つまり,残業不払いはけしからんと言いつつも,皆さん現実のところも割と分かっているようです。世の中,もっと不当な労働環境に置かれている企業はいくらでもある。それに比べりゃうちなんかまだましなほうだ。労基署駆け込んだりして,結果会社ごと倒産することだってあるっていうよ?つぶれたら元も子もないじゃん。

 私自身はというと,難しいことは最初から知りもしませんでしたが,世間の様子を聞くにつけ,今でも給料もらえてボーナスも満額出るだけありがたいと思っているので(同業界で比較すると相当冷遇されているようですが),反感をあらわにした同僚の人には「その行動力はすごいと思うし尊敬はするけど,結果すいませんけど迷惑でした」という感覚しかなく,それに同調して何か行動を起こす気にはならず,長いものが早く私を巻きに来てくれないかと待ちわびています。待ちくたびれたら勤務実態を労基署にファックスしてやろうかと思ってます,誰にも相談せずに。もうどうにでもなーれ,と。たぶんしないな。

 まあ,プチ労使紛争の話はいいのですが,私という人間はどうもみんなが同じ方向にあれこれ話を始める時に,なんかそれに乗れないんですよね。集団で話し合うときって,大体は話がどうでもいい方向に転がって行って,そもそもの議題の本質を解決する結論には至らないものですが,私は何時も最初の議題から話がずれてきたところで永沢君モードになってしまいます。不満を言い合ったって何も解決しないだろう,といって誰も建設的な案を持ってこられるわけじゃないので,まずはそれを持っている人の話を聞けばいいと思うけど,そっちに話が行かないならこれもう時間の無駄なんじゃないのかな,と。さすがに永沢君のように場が凍るような発言はできませんが,なんか自分の考える方向には必ず話が進んでくれないもどかしさをいつも感じるのです。

 皆さんは集団で話し合うとき,そういう経験ってないものですかね。私はほぼ100%なので,みんながあまり結論らしい結論も出てないのに,割とすっきりした顔で帰っていくのを見ながら「ということは,私自身がよほどどうかしているのか?ボンクラなのか?」などと思う日々なのですが,これはこれでしんどいです。いっそ永沢君のように嫌われ者になったら楽かも知らん。

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この記事へのコメント

y
2009年04月25日 22:41
わたしもズレっぷりには大変共感しますし身に覚えも沢山あります。投球だとか号数だとか自分の価値を数値化するのがめんどくさいし怖いのかも。しかし永沢君ほどに嫌われるのは勘弁…というのがまたまた凡人たる所以です。
y
2009年04月25日 22:58
投球→等級です
ketket
2009年04月25日 23:26
私も永沢君ほどストイックにはなれないのと,みんなが熱くその辺のことを語っていると,自分も何か言わなきゃ!それも気の利いた事を!と思って,気張りすぎて返って気持の悪い人になってしまったりします。そんなこんなであまり近寄りたくない(自分のために)んですよね。
それにしても,等級とかわかってどうするのか本当に不思議。そら知ってたほうがいいことなのかもですが,知ると給料上がるわけでも,モチベーションが上がるわけでもないのに。下がるほうへは動くけど。
ketket
2009年04月26日 01:20
ちなみに今回の件については,話し合いの結論として「勤務実態を記録に残していこう」と「情報交換できるように携帯番号を教えあおう」ということになりました。前者は言うまでもないし,後者に至ってはどうしてそういう話になったのか,私もよく分からない。でもみんな(私も含めて)まじめに考えたはずなんだけどな……。そしてその後,特に番号を教えあう動きはないようです。集団が盛り上がって決めることのその後って,だいたいそういうもんだろうなぁ。

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