年末年始の食事その1

※ 超地元話にもかかわらず,念のため地名はズバリ出さない感じのことになっているので,超地元の人だけ楽しめる内容かもしれません。

 帰省した年末。今でも連絡を取っている地元の友人など皆無なので,別段することもありません。珍しく暇にしていた兄とともに,大晦日の地元をうろうろしていました。どこぞでラーメンでも食べよまいとか言って。

 地元には「ベトコンラーメン」というラーメンがあります。六軒の「新京」というお店のそれが有名で,私も何度か食べていますがうまい。唐辛子をざっくり入れた辛い肉野菜炒めを乗せたラーメンです。行く途中から予測はしていましたが,やっぱ大晦日に開いてるラーメン屋などあるはずもなく。今年はベトコンラーメン食べられなかったな…。

 で,どこぞいい店でもあらへんかしゃん,などとぼやきつつ車でうろうろし,また自分の本当の地元(過去引っ越したりしているのですが,生まれてから最初にいたのは本当にこの辺)であるところの那加の方などまで足を伸ばしていましたが,旧21号線沿いの新境川そばにあった「かしわの店」が目に入りました。

 地域的なものがあるか分かりませんが,地元には「かしわの店」という鶏肉専門店が何軒かあったものです。その中のひとつが今もそのまま残っていたのでした。私は子供のころから,この店の前を通りながら,幼いときは「かしわもちの店なんだ。おいしいんだろうなあ」と思い。かしわ=鶏だと知ってからは,「鶏肉専門店があるほどここらはみんな鶏肉を食べるんだ。うまいものなあ」と思い。大人になってからは「あれでやっていけるんだろうか??」と思っていたものです。

 そんなことをぼんやり考えていたら,兄が「俺この店さぁ,昔っからどういう店なんやろう,鶏肉専門店ってからには,それでつぶれないんやったらよほどうまい肉とか扱っとるんやろうかしゃん」と,まさにそれ!発言を。そこで「今通り過ぎたら多分もう二度とこの店を顧みることもないやろうから,ちょっと店行ってみよまい。たぶん惣菜とかもあるやろうでさあ,そういうので昼でもいいやん」ということになりました。

 かしわの店のお惣菜。から揚げ,鶏腿のロースト,チキンカツなどなどいずれもおいしそうです。専門店の惣菜だもの,スーパーで買うもんなんかより一味もふた味も違うだろう。また,何十年たっても続いているというこの安定感。きっと品質と店主の良心がそれを支えていると思う。2006年最後の日に,ようやくそれを確かめることができます。

 近所にちょいと車を止めて店内へ。あれだけ通りがかった店にもかかわらず入るのはこれが初めてです。灯台下暗しのスポットをひとつチェックした気分で中に入ると,そこはこじんまりとした肉屋で,ガラスのショーケースの中はすべて鶏肉という予想通りのもの。そして脇には昔のボクサーが計量で使うあの量りがあり,ショーケースの向こうにはいかにもな感じのおばちゃんがいます。で,先客でおばあちゃんがいて,なんか話してる。

 「この腿肉はどうや?」「これはねえ,塩コショウで焼くとでれぇうまいでいいよ。骨付きのいいとこだで」なんて話しています。地元密着感高し。時間が止まった昭和感も高し。”ぶらり旅”で登場しそうな店だなぁと思っていたら,兄も同じことを考えていました。「そっちはどうか知らんけど,こっちやと坂東英二がこういう地元の店をぶらぶら歩いて立ち寄ってつまみ食いするやつやっとってさあ,この店まさにそういう感じだわ」。

 さすが双子というべきか,思考回路も似てるなぁと思いつつ,ここは坂東に知らせたらないかんなぁなどと話している間も,おばあちゃんとおばちゃんの会話は続いていたのですが,さすがに次の客に悪いと思ったらしく,おばちゃんが「そっちのお兄さん方,どうしましょうか?」。

 ようやく訪れた感慨と,ぶらり感に浸っていましたが,車はハザードつけて止めてるし,長居はできないのでした。「なんかお惣菜買って食べたいんですけど,どんなのあります?」と聞くと。「今日は年の暮れだでコロッケしかあらへんわー」。

 コロッケか…コロッケ好きだけど。むしろうまいと思うけどコロッケか。かしわの店でコロッケか。「から揚げしかないわ,コロッケないんやて」なら分かるけど,コロッケしかないんやって。しょうがないので,1つ40円のコロッケを4つ買って店を後にしました。

 考えてみればこんな年の暮れに,鶏肉屋に惣菜を買いに来るような客のほうがどうかしているのです。コロッケあっただけでもありがたいと思え。さて,どんなコロッケなのでしょう。鶏肉専門店のコロッケです。コロッケといえば普通牛や豚のひき肉とか入ってますが,これはもしかして鶏肉のコロッケとかなんでは?そしたらかなり珍しい。しかも美味しそう。ぜひ食べてみたい。

 手に取った瞬間に分かる冷め切った感。保温すらしていなかったかそうかそうか。いやな予感を覚えつつぱくり。薄い,うすーいうっすーい,うっすぅーぃいころもの中は…じゃがいもと玉ねぎの存在は確認できました。ほかはまったく分からず。そうだ,子供のころ,近所にユニーがあって,そこにたいやきとみたらしだんごとコロッケを売っている惣菜の店があって,たまにそこのコロッケが休日の昼の食事になってて,あれころもぺらっぺらでじゃがいもばっかりのコロッケだったなぁ,結構好きだった記憶があるけどなんでだったんだろう。もしかしてこの地元でコロッケといったらこれ決まりということでじゃがいもと玉ねぎだけっていうこと?そんなまさか。

 2006年はこのようにして,私なりに何かひとつの区切りがついた形で終わりを迎えたのでした。何かを失ってまたひとつ大人になりましたみたいな。えっ,もう33なのにか。


※ お店の名誉のために。年の暮れにコロッケなんか買いに来るほうがどうかしているので,お店の本領はこんなもんじゃなかったのだろうと思います。機会があったら(あんまないと思う)今度はちゃんと鶏の何かを買います。

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この記事へのコメント

詩野
2007年01月10日 17:18
そのお店、多分私が「初めてのお使い」をした場所じゃないかと思います。クリスマスの日にかしわのモモ肉の大きいの(骨付き)を買いに行ったのです。
なつかしいです。
ketket
2007年01月10日 17:56
やはりご存知でしたか。:)
 地元の人以外にはサッパリ分からない話で恐縮ですが,うちは桜町1丁目,図書館のそばにあったかしわの店で買ったことがありました。あと友人がよくそこでから揚げ買って食べてたなぁ…。
 久しぶりに本当の地元をうろうろしましたが,ユニーがあんななってたり,ずいぶん変わったものですね。福祉センターの前の道はヨン様通りだとかわけわかんないし,桜町センターも外壁だけになってるし。
詩野
2007年01月10日 21:49
昔、祖父母が自動車学校の近くに住んでまして、その近所のピアノ教室に通っていたこともあって、あの川を渡って向こうに行くことが多かったのです。
ユニーってどうなったんですか?ここ何年か旧道を走ったことが無いので全然知らないです。近所なのに。
ketket
2007年01月10日 23:14
私,「デンマーク」にしょっちゅう通っていました。あとその向かいの辺に倉知屋というお店があって,大判焼きが美味しかった…。

ユニー,今もありますがなんかえらい改装して別物みたいになってました。ミスドはもしかしたらなかったのかも。店内は見ていないのですけどね。
詩野
2007年01月11日 09:27
そうなんですか…。
ユニーはあの場末感がよかったのですけどねえ。でも頑張って残ってくれているのは嬉しい。イズミヤがなくなってたので余計に。
ketket
2007年01月11日 12:24
この次帰省したら,ちゃんとユニーの店内も回ってみようと思っています。あと私は,ユニーの裏手にある神社,というかほこらのようなところでよく遊んだし,高校受験のときはお参りしたのでした。
イズミヤ,ヤマダ電機になっていましたね。全体的に,発展しているんだか寂れているんだかわからないなぁ,なんてことを思いました。

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